上級者を目指すならPro、気軽さ重視ならRush
Adobe Premiere ProとRushの違いを簡潔に述べるのであれば、動画編集の上級者を目指す場合はPro、気軽さを重視する場合にはRushがおすすめといえるでしょう。
Adobe Premiere Proは、プロの動画編集者も使用している上級者向けの動画編集ソフト。
尺の短い動画だけでなく映画製作にまで使用できるほど機能が満載であることから、初心者が使用すると複雑で難しいと感じてしまうかもしれません。
しかし、動画編集のプロを目指しているという場合や、よりこだわって動画を制作したいという場合にはマスターしておきたいソフトです。
一方Adobe Premiere Rushはシンプルで使いやすいのが特徴。
パソコンのみならずスマートフォンやタブレットでも編集できるため、わざわざ動画編集のためにハイスペックなパソコンを用意する必要もないでしょう。
作ることのできる動画の幅はAdobe Premiere Proよりも狭まるかもしれませんが、トランジションやトランスフォーム、テロップの挿入など基本的な編集機能は問題なく使用可能。
そこまで本格さは求めておらず、気軽に使える動画編集ソフトをお探しならAdobe Premiere Rushがうってつけです。
Premiere Proの機能や特徴
Adobe Premiere ProとRushは、上級者に向いているのか、あるいは気軽に動画編集をしたい人に向いているのかという違いがあることが分かったところで、それぞれの機能や特徴を詳しく見ていきましょう。
まずはAdobe Premiere Proからです。
Premiere Proでできること
Adobe Premiere Proでできることは、動画編集に関するほぼすべてのことと言っても過言ではないかもしれません。
カットやテロップの挿入はもちろんのこと、カラーグレーディングや音量調整、トランジションなど動画編集に必要なことは網羅していると言っていいでしょう。
360度のVR動画を編集することも可能です。
また、トランジションやテロップに使える文字のフォントの種類が豊富なだけでなく、世界中のクリエイターが提供しているさまざまなテンプレートを使用できるのもうれしいポイント。
数あるテンプレートを活用すれば、一見手の込んでいそうな動画であっても、ものの数分で制作できた、なんてことも稀ではありません。
他のAdobe製品とも連携できるため、たとえばPhotoshopで編集した内容はそのままPremiere Proにも反映されるなど、非常に業務効率化につながります。
PhotoshopやIllustrator、さらにはAfter Effectsなどとあわせて使用することによって、Adobe Premiere Proで作ることのできない映像はほとんどない状態にまで持ってこれるでしょう。
Premiere Proでできないこと
動画編集に関するほとんどをカバーしていると言っても過言ではないAdobe Premiere Proですが、できないことがないというわけではありません。
Adobe Premiere Proでは、高度なアニメーションを作成することは不可能です。
しかし、もしも高度なアニメーションを作成したいという場合には、After Effectsであれば問題なく作成することができるため、連携させ併用すれば問題ありません。
Premiere Rushの機能や特徴
続いて、Premiere Rushにはどのような機能や特徴があるのかをチェックしていきましょう。
Premiere Rushでできること
Premiere Rushは気軽に動画編集をしたい人向けとは先に述べたものの、Proほどではありませんが十分の動画編集機能が備わっています。
たとえば光や音、速度の調整をはじめ、レイヤー機能、トランジション機能なども搭載されており、テンプレートで今時のおしゃれな動画を作成することも可能。
ワンクリックでノイズ除去も行えるなど、動画編集に最低限必要な機能は網羅しています。
また、基本的にはパソコンからしか使うことのできないハイスペックな動画編集ソフトとは異なり、iPhoneやiPadなどといったモバイル端末であっても利用できるのが最大の魅力。
動画編集ソフトに対応できるようなハイスペックのパソコンを持っていなかったとしても、スマホ1つあればサクサク動画編集が可能です。
Adobe Premiere Proよりも搭載されている機能が少ない分、迷うことなくより直感的に操作することができるのも心強いポイントでしょう。
動画編集の初心者であっても、気軽に使うことができるソフトをお探しならぴったりです。
Premiere Rushでできないこと
Premiere RushはProよりも編集機能が少ないですが、その他にも動画ファイルの保存先に違いがあります。
Premiere Rushは作成した動画などはすべてクラウド上に保存され、パソコン本体に保存することはできません。
Adobeのクラウドストレージ内に保存されていくので便利といえば便利ですが、本体への保存ができないのは不便と感じる人もいるでしょう。
また、動画の書き出しはH.264のみで他には対応していません。
Premiere ProとRushに互換性はあるのか
言わばPremiere RushはPremiere Proのスターター版といった具合ですが、この2つに互換性はあるのでしょうか。
実のところ、Premiere Rush 2019以降のバージョンを使用しているのであれば、Premiere Proと連携させることもできるようです。
2つの連携方法は非常に簡単で、まずはPremiere Rushで「プロジェクトの同期」をONにし、一方Premiere Proで「Premiere Rushプロジェクトを開く」をクリックするだけ。
この操作を行えば、Rush側で編集されたデータをそのままProでも編集することができ、より複雑なエフェクト処理などを行うことができます。
Rushはスマートフォンやタブレットからなども編集できるため、移動中や外出先ではRushでサクッと編集する、より高度な作業は自宅でProを用いて行う、という使い方もおすすめです。
Premiere ProとRushの利用料金の違い
さまざまな違いがあるPremiere ProとRushですが、もちろん利用料金も異なります。
支払い方法 |
年額 |
月額 |
Premiere Pro |
2万8,776円 |
2,480円 |
Premiere Rush |
1万1,760円 |
980円 |
Premiere Proは年額払いの場合2万8,776円。月額払いの場合2,480円かかります。
一方Rushは、年額払いであっても1万1,760円、月額払いはたったの980円で利用可能です。
つまり、Premiere RushはProの半額で利用することができます。動画編集ソフトを導入したいものの、なるべくコストは抑えておきたいという場合には、Rushがおすすめといえるでしょう。
Adobe製品を3つ以上使うならコンプリートプランがおすすめ
費用を抑えたいのであればPremiere Rushの方がおすすめということが分かりましたが、もしもPremiere ProやRush以外にAdobe製品を複数使用しているという場合には、コンプリートプランを利用した方がコストパフォーマンスに優れています。
Adobeのアプリケーションを単体利用する場合、月額2,728円から利用することができます。
もしも、Premiere ProにあわせてPhotoshopやIllustratorも使用するという場合には、8,000円以上はかかってしまいます。
しかしコンプリートプランを利用すれば、Adobeが提供している20種類以上ものアプリケーションすべてを使用できるにも関わらず、月額はたったの6,248円。
非常にコストパフォーマンスに優れているため、Premire Pro以外にもさまざまなアプリケーションを併用したいという場合にはぴったりでしょう。
まずは無料お試しから始めてみよう
機能が豊富なPremiere Proですが、最初の7日間は無料トライアルを利用可能です。
無料期間を利用し、どれだけ使いやすいのか、どれだけハイクオリティな動画を作成できるのかを実際に把握してみましょう。
Premiere Rushは無料スタータープランが用意されているので、有料プランを購入する前にこちらを利用してみることをおすすめします。
超初心者向けのPremiere Elementsもある
Premiere Rushはシンプルで操作性が高いことから初心者でも気軽に利用できると説明しましたが、より初心者向けなPremiere Elementsというアプリケーションも提供されています。
Premiere ElementsもRushと同様に直感的に操作でき、パソコンに不慣れな場合であっても簡単に動画編集が可能。
自動の色味補正やエフェクト加工なども行うことができ、クイック編集機能を活用すればすぐに動画を編集することができます。
しかし、Premiere Proに比べるとできることは限られてしまうので、あまり動画編集の頻度が高くないという場合や、どれだけ簡単に利用できるのかを重視して編集ソフトをお探しの場合におすすめでしょう。
Premiere RushとiMovieはどちらを選ぶべき?
Premiere Rushと同様、簡単に利用できる動画編集ソフトとして有名なのが「iMovie」です。
MacやiPhoneであれば無料で利用できる動画編集ソフトで、無料でありながらもさまざまな機能が搭載されています。
それでは、Premiere RushとiMovieであればどちらを利用するべきなのでしょうか。
iMovieの機能や特徴
iMovieは無料で利用できる動画編集ソフトですが、動画編集に関する基本的な機能は幅広くカバーしています。
動画の切り貼りをはじめ、トランジションやテロップ挿入、BGMやSEの挿入、動画速度の調整などは問題なく利用可能です。
macOSのパソコンだけでなくiPhoneでも利用できるため、移動中や外出先でも気軽に編集作業を進められるのが大きなメリット。
パソコンはあまり使い慣れていないという人であっても、簡単に動画編集が可能です。
基本的なことであればカバーしているiMovieですが、実はテロップに関して問題が残されています。
テロップの挿入はできるものの、挿入する位置を自由に変えることができません。
そのため、自分が配置させたい場所にテロップを表示させるには、改行してなんとかその位置まで持ってくるか、背景を透過させたテキスト入り画像を用いるなど、工夫を凝らす必要があります。
よりこだわりたいならPremiere Rushがおすすめ
「初心者なので簡単な動画編集ソフトを使いたい。けど、どうせならよりこだわって動画制作を行いたい」という場合には、iMovieではなくPremiere Rushがおすすめです。
Premiere Rushであれば、Proよりは劣るもののさまざまなトランジションやテンプレートなどを用いることができ、簡単でありながらも動画として完成度の高いものを作成することができます。
「より洗練度の高い動画にしたい」、「こだわりたい部分がある」という場合には、Premiere Rushや、ワンランク上のPremiere Proに挑戦してみましょう。
動画編集ノウハウはどう学ぶ?
ここまでPremiere ProとRushの違いについて紹介してきましたが、「優れた動画編集ソフトを導入しても、編集スキルやノウハウがないと活用できない……」とお悩みの人も多いでしょう。
それでは、動画編集に関するノウハウはどのように学んでいくべきなのでしょうか?
動画編集の専用スクールに通う
動画編集を学ぶ方法としてはじめにあげられるのが、動画編集専用のスクールに通うということです。
動画クリエイター専攻などを用意している専門学校は少なくありません。
学費など費用はそれなりにかかってしまいますが、本気で映像業界を目指しているという場合や、学習時間に多くの時間を割けるという場合にはおすすめでしょう。
オンライン学習サービスを利用する
わざわざ専門学校へと通う時間はない、隙間時間を活用して動画編集について学びたいという場合には、オンライン学習サービスを利用してみるのも1つの手段です。
サービスによって利用方法はさまざまですが、受講したい授業だけ購入できることも多いため、学校へと通うことはできないが、プロからスキルやノウハウを学びたい人にはおすすめでしょう。
YouTubeを活用する
動画編集について学びたい気持ちはあるものの、なるべくコストは抑えたいという場合にはYouTubeを活用してみるのもいいでしょう。
YouTube公式が簡単なチュートリアル動画を用意しているだけでなく、さまざまなYouTuberたちが動画編集方法やノウハウなどを公開しているため、そういった動画を見ながら学んでいくことができます。
しかし、動画編集のプロとはいえないような人もノウハウを公開している可能性があり、情報の信頼性には欠けるかもしれません。
動画広告ネットなら無料でプロのノウハウをゲットできる
初心者の人におすすめな動画編集の学び方を紹介してきましたが、専門学校やオンラインスクールは予想以上に費用がかかり、YouTubeで学ぶ場合には情報の信頼性に欠けてしまいます。
「なるべく費用を抑えながらもプロのノウハウが知りたい」という場合には、どうすればいいのでしょうか。
そんな時におすすめなのが、「動画広告ネット」で配信されているノウハウ記事です。
「動画広告ネット」では、動画編集のプロたちが無料でノウハウを公開しており、会員登録をするだけですべて閲覧することが可能です。
無料で利用することができるため、まずは登録だけしておいても損はないでしょう。
会員登録はこちらから。
動画編集のプロを募集中
この記事を読んでいる方の中には、「動画編集者として活躍していきたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
現在「動画広告ネット」を運営しているビジネスストラテジーでは、動画編集者(業務委託)を募集中です。
実際に働きながらスキルを磨きたい、フリーの動画編集者として仕事を受けていきたいという場合には、ぜひこちらをご確認ください。